[No.119] 2008/05/13 (Tue) 04:02
『火車』 宮部みゆき
![]() | 火車 (新潮文庫) (1998/01) 宮部 みゆき 商品詳細を見る |
《あらすじ》
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
《感想》
宮部みゆきの最高佳作と呼ばれるだけありますね。
最期まで飽きさせない展開とわかりやすく簡潔な文体。
いつも思うけど宮部さんは登場人物の動かし方が上手いな。
事件だけじゃなく、主人公の人間関係まで面白い。
消えてしまった彼女を探しているうちにとんでもない事実に気づく。
カード破産した人間の悲惨な人生。
逃げても逃げても逃げられない。
彼女はただ、幸せになりたかっただけなのに。
彼女のこれまでの人生。
それを消すために犯してしまった犯罪。
そう思うととてもやりきれない気持ちになりました。
ラストシーンは好きです。
すっきりしないという人もいるかも知れませんが、やっと見つけた彼女の話を本間は静かに聞いてあげるんだろうな。
誰にも言えなかった気持ちを。
★★★★★
[No.71] 2007/08/10 (Fri) 09:33
『誇りある被害者』 森村誠一
![]() | 誇りある被害者 森村 誠一 (2004/07) 角川書店 この商品の詳細を見る |
《あらすじ》
櫛田と清子は、お互い結婚を求めない体だけの大人の関係を続けていた。だが櫛田は、次第に清子に愛情を感じ、真剣な交際を望むようになっていった。そんな時、突然清子と連絡が取れなくなってしまった。櫛田が部屋を訪ねていくと、清子の絞殺死体が!?櫛田は警察とは別に、清子の過去を追いはじめるが…!?偶然によって織り成された殺人事件が複雑に重なる、社会派・恋愛ミステリ。
《感想》
前に女性を助けようとして電車にはねられて亡くなった警察官の事件がありました。
この事件はとても話題になりましたね。
そのニュースを見ていた時、私はこの本の事を思い出しました。
この本には自分の仕事に誇りを持ち、またそのために亡くなった被害者が出てきます。
亡くなった被害者は、自分の仕事に誇りなど持っていなかったら死ぬことはなかった。
亡くなった警察官も、自分の仕事に誇りなど持っていなかったら死ぬことはなかった。
「誇りある被害者」であると思いました。
★★★★☆
[No.48] 2007/07/06 (Fri) 01:52
『天国の本屋』 松久淳+田中渉
![]() | 天国の本屋 松久 淳、田中 渉 他 (2004/04) 新潮社 この商品の詳細を見る |
《あらすじ》
さとしはアロハシャツの不思議なおっさんに誘われ、突然天国の本屋でアルバイトをすることになった。この店の売り物の、朗読サービスを受け持つことになったさとし。そして緑色の目を持つ少女ユイに恋心を抱く…。でも、ユイの心は、この世でできた大きな傷に塞がれていた―。慌しい毎日に押しつぶされそうな貴方にお勧めします。懐かしさと優しさが、胸一杯に込み上げてきます。
《感想》
天国の本屋でアルバイトをすることになった主人公。
この世で100歳に満たないで死んでしまった人は、次に生まれ変わるまでの100歳までの残りの時間を過ごす場所が『天国』
ゆっくり、静かに流れていく天国の本屋での一時。
ユイへの想い。
そして、現世に帰るとき…。
挿絵がとても綺麗です。
一時間もあれば読み終わります。
最後の1行で泣いてしまった…。
★★★★☆
[No.22] 2007/07/01 (Sun) 04:53
『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
![]() | 夜は短し歩けよ乙女 森見 登美彦 (2006/11/29) 角川書店 この商品の詳細を見る |
鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー!
《あらすじ》
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
《感想》
表紙と題名に一目惚れして買ってしまった一冊。
この本は今年の本屋大賞にもノミネートされています。
独特の文体に最初は読みにくいと感じ、このまま読み進められるかなと思っていましたが、読み進めているうちにこの文体の魅力に圧倒されました。
こんなに読んでいて楽しい小説は久しぶりです。
そしてこんな恋愛小説は今までに読んだことがないです。
「黒髪の乙女」に片思いする「先輩」
その他の登場人物もとても魅力的な方々。
第三章を読んだ時には「先輩」がこのままいい人扱いで終わってしまうのではないかと心配になりましたが、第四章でそんな「先輩」の努力が何気なく報われたようなのでよかったです。
去年、修学旅行で京都に行きましたが、また行ってみたいな。
京都の街並みとか好きなので。
とても愛らしゅうございました。
★★★★★
[No.11] 2007/07/01 (Sun) 04:35
『わるいやつら 上下』 松本清張
![]() | わるいやつら〈上〉 松本 清張 (1966/03) 新潮社 この商品の詳細を見る |
《あらすじ》
“どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ”医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。穴埋めの金は、女から絞り取ればいい…。色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。
《感想》
『わるいやつら』題名そのものでした。
わるいやつばかり…。
一気に読んでしまいました。
最後は「やっぱり」という感じで。
女達はしたたかで恐ろしい。
以下ネタバレ








